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香りと記憶 キンモクセイの香り

道を歩くとふと香るキンモクセイの甘い香り

「あぁ、今年も秋がきたなぁ」と実感します。

キンモクセイの香りをかいで思い出すのは、学生のころ読んだ山田詠美さん「放課後のキイノート」という小説。

様々な女の子の恋愛エピソードが短編集となった物語。

その中での女の子の言葉。

「金木犀の匂いがする 甘くて歯が痛くなりそう 秋には恋に落ちないってきめていたけど もう先に歯が痛い」

キンモクセイの香りを嗅ぐと思い出す一節。

香りと記憶はつながっています。

「クンクン」と嗅いだ瞬間、におい分子は嗅上皮の粘膜層に溶け、嗅神経・嗅球・嗅索を通り記憶の海馬を刺激。

香りによって関連する記憶が呼び起こされる現象をプルースト効果といいます。

マルセル・プルーストの作品で、主人公が紅茶にひたしたマドレーヌの香りをきっかけに幼少時を思い出す描写から名づけられたようです。

道を歩いていてカレーの香りがすると「うちのカレーかな?」と嬉しかった幼少期のことを思い出すのもそう。

何年か前、緩和ケアを受ける患者さんと奥様がアロマのハンドケアを受けている際、庭にラベンダーを育ててることやご夫婦で生活の木などへ行ったことなどお話してくださり、「久しぶりに思い出したね」ご夫婦で笑いあった場面も素敵なプルースト効果でした。

好きな香りをかぐと緩みます。いつかかいだ香りで幸せな感情を呼び起こす。

疲れたとき、自分の緩む方法のひとつに「精油の香りをかぐ」もご自身の力になってくれるかもしれません。

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